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10月の観劇

   

10月の観劇。(SNSまとめ)

『光の光の光の愛の光の』 作・演出:三浦直之
キティエンターテインメント・プレゼンツ@CBGKシブゲキ!!

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劇団ロロの代表作をリメイク。恋すると光る少女、片思いを200年続ける老人、恋に盲目になり本当に目が見えなくなってしまった青年などの、めちゃくちゃな恋愛迷路。わけなんてわからないけど、恋をしていること、恋について、わかる。役者さんの強度がすごいです。
初めは、独特な世界観に「難しいかな」とも思いましたが一度その世界に入ってしまったら、恋することが苦しくて、嬉しくて、最後はぼろぼろと泣いてしまいました。あまりストレートプレイで泣くことはないのですが……。
また、お子さんが楽しそうに観ていたのも、嬉しかった。喋りながら、笑いながら見ているようすに、演劇を好きだった初心にふと返りました。
 
 
ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』@東急シアターオーブ
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わたしは今ブロードウェイにいる……!!!
『キンキー・ブーツ』来日公演、最高でした。2時間半、手拍子しすぎて歓声あげすぎて気持ちのいい疲労感です。日本版のキャストの皆さんの興奮度合いにはかないませんが。
それから数日間、校了を目前にハイヒールで武装!『キンキーブーツ』を観たせいだな。地震以降あまり履かないハイヒールだけど、履くとやっぱり戦闘能力あがるんだ!
 
 
パルコプロデュース『露出狂』 作・演出:中屋敷憲仁(劇団柿喰う客)
@六本木zippブルーシアター

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楽しかったな。3チームあるから他のチームも観たくなる。たしかに、1チームだけ公演として観るより、数チーム観てこそ思うところがたくさん浮かんでくる公演でした。リピーターチケットを購入されている方がたくさんいて、楽しかったんだろうなあ。
作・演出の中屋敷くんは大学の同期で、こんな形で10年越しにご一緒できるなんて、生きてて楽しいです。そしてこの舞台には、10年後や30年後に日本演劇を代表する俳優がいるだろうから、きっと未来も楽しいな。
最終日の最終チームは、最後の最後、スタンディングオベーションと客席大合唱。『露出狂』の台詞でないですが、終わってしまうのが寂しくなります。
 
 
森山開次ソロダンス『KATANA』@世田谷パブリックシアター
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60分のダンス。まったく人間ではなかった。なにかが死に、産まれ、死に、世界がなんども創造される。そこに、在る。
斬れ味のよい刀、柔らかに舞う椿。硬いものと柔いもの。中盤、森山開次さんはそこに浮かび上がる、鬼だ、と思った。
能のような舞台。
なにもない空間に、大量の椿が降り積もる。10年前の初演より10倍の数の椿で、舞台が真っ赤に染まる様は圧巻だった。隣りの席の女性が静かに「すごい…」と漏らした。
終演後には初日乾杯にお邪魔させていただいた。幽玄な存在であった舞台上とは違い、恥ずかしそうに「ありがとう」と微笑む42歳の男性に、惚れそうです。そして初演の10倍という真っ赤な椿が降るようす、息を呑んで見入ってしまいました。隣の席の方が、ふと漏れてしまったように「すごい…」と呟きました。
 
 
土佐和紙×ダンス第三弾『風の強い日に』 演出・振付:鈴木竜
@神楽坂セッションハウス

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今回は、東京のアーティストが高知にしばらく滞在して創った作品。それによって、新鮮さと懐かしさの両方が生まれていることが心地よかったです。
ダンスは、正直、観るのがあんまり上手じゃない。踊れないし、なんなら毎日腰痛で起き上がれないし、ダンスってよくわからない。でも、手の届きそうな距離で、身体が動いていて、肉体の線とふくらみが見えることで感じる高揚感は、他にはない。スポーツとは少し違う、肉体との対話。気持ちいいんだと思う、これ、すごく。腰痛なのに、軽やかに踊れそうな気がする。
最近は(といってもどれくらい最近だろ)、ダンスにも言葉がある。セリフをしゃべる。言葉も身体も脳みそも関係性も、すべてひっくるめてるダンスって、生きることそのものなんだなと思う。
作品は、難しくなく、客観的で、シンプルな構成。だから冷静でもあり、優しくもある。高知ならではの作品を、高知で暮らしていない人が、アーティストインレジデンスで作る事(中期間の滞在中に作品を創作すること、つまり、ちょっとだけ高知で生活すること)で、より広がりが生まれていました。いろんな作家から見た、高知を観たいな。
 
 
劇団維新派『アマハラ』@平城京跡地
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わけのわからないほど広い平城京に、大音量が鳴り響く。かつて都市のあった海のない荒地に、船が乗り上げた。もう、物理的に、乗り上げた。初夏に松本雄吉さんが亡くなって、最後になる維新派公演。観られたことが嬉しくて、もう観られないことが寂しくて、そういうものだからこそ愛しくもある、のかな。
素晴らしくて、なんども、なんども、泣いてしまいました。野外劇場は、沈む夕陽と連なる鳥たちを背景に。平城京という空間が素敵です。
空は視界の端から端までずっと広くて、雲は手が届きそうなほど近い。いち観客であったこと、ただの目撃者でいられることが、ありがたいです。
 
 
『フリック』 演出:マキノノゾミ
@新国立劇場

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事前に脚本を読んでいたのですが(脚本はピュリッツァー賞の素晴らしい作品!)、脚本を知らずに観たらどんな感想だったんでしょう!間、沈黙、さりげない情報が連なり時代が透けて見える作品。幕切れの音響が胸に刺さります……
映画愛に溢れた作品。劇中には50本以上の映画が登場する。ほとんど知っている映画だったのでかなり爆笑だったけれど、映画を観てない人にはわからない面白さもあり?
本作は2014年のアメリカの戯曲で、作者は30代女性。アメリカの一時代の終わりに、胸が痛い。白人、黒人、ユダヤ人。それぞれの時代の終わりが、最後の音響がプツンと切れた瞬間に、ジワアと広がった。アメリカ人だから書く意味のある作品だろうし、日本ではわからない感覚も多くあるだろうな。同性愛、SNS、貧困、デジタル化……いろいろ内包しているけれど、同性愛は悩まなくていいんだよ。
 
 
『夜が私を待っている』 演出:河原雅彦
@紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

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2幕もの。戯曲はロンドンのエムリン・ウィリアムズが1935年に発表し、賞を獲っている。〈心理サスペンス〉ってどういうものだっけ??とぼんやりしていたら、「誰が悪い奴なんだドキドキ」として観るというより、「誰が悪い奴なんだドキドキ」と腹の探り合いをする人間たちの様を見て「うはあ、こいつらどういう人間なんだよドキドキ」みたいな感じのドキドキ。
前田美波里さんのハスキーでドスの効いた声と、秋元才加さんの澄んだ綺麗な声の対比がすごくいいコントラスト。声って大事だなあ。聴覚って、視覚と違って否応無しに入ってくるテロだもの。先日、舞台『フリック』でマキノノゾミさんが「役者は声で選ぶ」と仰っていたな。
かつては『夜は必ずくる』という邦題にもなっているとか……。おお……印象が違う!!どちらの訳も合うけど、それぞれ、観せたいもの、観るものが違ってくる気がする。翻訳って面白い!
 
 
劇団チョコレートケーキ『治天ノ君』
@シアタートラム

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大正天皇とその家族や周囲の、現人神ふくむ人間としての生き様。とちゅう涙と鼻水でぐずぐずになりながら観ましたが、演劇に感動しているのか現実に困惑しているのか、数日経っても、自分でもまだわからないくらい受け止めきれません。
演劇としては、感嘆するところがたくさん。役者の熱演や存在感の確かさ。照明の繊細さと大胆さ。脚本も演劇としての意義がある時間交差の効果。もちろん苦手なところも…動作の多さや、単調さ、ワンパターンなど。
でもそんな作品の良し悪しとか、後回しだよね…

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